プランニングは9割の「常識」と1割の「非常識」

企画提案は9割の「常識的な助走」と1割の常識を脱した「跳躍」、
この9対1の匙加減が大事だと思います。
つまり、「そうか、そんな手があったか」というサプライズは
聞き手の頭の中に、予め「ふつうで考えたら」という
常識脳(想定される結論)があって、
その常識脳が覆されることで生まれるものなんですね。
面白い、関心するアイデアでも、聞き手の常識脳と乖離したものは
単なる突飛な話、参考程度で終わってしまいます。
また、常識的な助走にすぎない事実発見や分析をコア・アイデア
勘違いした提案も見受けられますが、
これも聞き手のサプライズを呼び起こすことはありません。
したがって、企画提案を組み立てる時は、まずは相手の常識脳を
良く理解すること、相手のフォールドの中で問題の発見、
ゴールの確認、課題の共有を行うことが必要です。
クライアントという組織集団には、その集団固有の常識脳がありますから
まずは、じっくりと個々の常識脳に合わせた助走をしていきます。
この助走の段階で集団の空気がいい具合に暖められればられるほど
いい跳躍ができます。
いい集団助走を行うためには、
技術的、心理的な助走ノウハウというものがあるわけですが、
ここでは専門的な話は抜きにして、
「常識脳」を覆した「非常識」の参考事例を紹介します。

「常識脳」を覆した「非常識」と言えば、
古くは、ダーウィンの「種の起源」が有名ですね。
「人間は神の創造物だ」とする社会的常識脳を「人間はサルから進化した」
という当時の社会状況から考えたら「非常識」どころか異常とも言える
仮説を提示しました。これはもう「そんな手があった」どころではありません。
ダーウィンの例はちょっと極端な例ですが、
もっと身近なところで、例えば、こんな例があります。

人は見た目が9割 (新潮新書)
「人は見た目より中身」という常識脳を「見た目が9割」とひっくり返しています。
最近の本、とくに新書には、こういう例をよく見ます。
ジャケ買い」ならぬ「タイトル買い」を狙った出版社の戦術なのでしょうが、
その中でも「常識」のひっくり返しは常套手段となっています。
「本はタイトルが9割」? 事実、良く売れてますね。
以下、タイトルだけあげてみます。
お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」
「人生は勉強より世渡り力だ」
「なぜ、仕事ができる人は「効率」を無視するのか?」
「残業ゼロの仕事力」