Slideshareからシンプル&ディープな作品をピックアップしてみました

ストーリーテリング101のステップ」 ethos3 Scott Schwertlyさん
 プレゼンテーション・デザイン会社「ethos3」が制作したスライド。プレゼンテーションをストーリーとして伝えるための101のステップを、専門会社らしくクリエティブにまとめています。シンプルな構成、ビジュアル、フォントのバランスが絶妙です。100ページを超えるボリュームですが、さくさくと読むことができます。


「THIRST」Jeff Brenmanさん
昨年Slideshareが実施した第一回スライドコンクールで一位を獲得した作品。水が枯渇する地球というテーマで環境破壊を訴えています。良く選ばれた言葉と画像がと強いメッセージを発信しています。


「Brand Gap」NEUTRON LLC
こちらは、既に翻訳本も出ている「ブランド・ギャップ」のスライド版。


「Brain Rules for Presentation」Garr Reynoldsさん
Presentation ZenでおなじみのGarr Reynoldsさんが、本の推薦をスライドでプレゼンテーションしています。プレゼンのスペシャリストらしく、元本「Brain Rules 脳の働きに関する12のルール」(JOHN MEDINA/著 )のエッセンスをユーモラスなスライドに仕立てています。

アイデアは深夜4時にやって来る

ある金融商品の販売促進キャンペーンの
戦略プランを立案しています。
作業に入ってから2週間が経過、
インプット(仕入れ)段階が終わって
戦略コアとなるアイデアを構想しているところです。
昼間はミーティングやもろもろ作業の合間合間に落書き。
夕刻から夜にかけての2〜3時間に集中して練り直し。
グダグダとした後、就寝ということになるわけですが
この5日間位は、だいたい決まったように
何やら頭の中がザワザワしたような感じがして
深夜4時頃に目が覚めます。
そうすると、夕べ集中して考えた延長の
イデアがポロポロと浮かんできます。
昼間目覚めている時には思いつかないような
イデアがけっこう、この時間に出てきます。
浮かんで出てくる時間が翌朝だったりもしますが
深夜帯の方がアイデアの質が高いような気がします。
深夜に目を覚まさなければならないほど
無意識が活発に働くからかもしれません。
こういう現象は何も私だけがとくべつというわではない。
寝ている間、つまり無意識の思考能力は
科学的にも解明されているようです。
ただし、無意識の思考を活性化させるためには
意識的な(目覚めている時の)助走が十分になされる必要がある。
何もしないで漠然と待ってても
無意識は上手く働いてくれないようです。
私の場合は、与えられた案件に対する切羽詰まった感と
助走中の思考量が大いに影響する気がします。
モチベーションの強さ×助走思考量=無意識力
ということですね。思考の質はあまり関係ないようです。

集団のパフォーマンスを上げる。人材開発論として読みました。 「街場の教育論」

街場シリーズ最新刊。今回はご自身のフィールドである
教育がテーマになっています。

かなり変てこな教育論だったと思いますけど、
「まあ、そういう考え方もあるよね」と思っていただければ、
それで十分です。〜後書きより〜

かなり変てこどころか、納得しながら読みました。
とくに私には、(私だけではないと思いますが)
内田教授が説く”教育が抱える問題”と今の”企業が抱える問題”が、
かなりダブって見えました。

教育制度を「新品と取り替えること」は不可能です。
不可能である以上、「教育改革」というのは、
「ありもの」の機構と「ありもの」の教員の潜在的なパフォーマンスを
どうやって最大化するかという国民的課題に収斂します。

説明するまでもなく、この「教育」を「企業」と言いかえてみると
従来の組織を引き受けながら、なおかつ組織の変革に
直面する企業経営者の姿を重ね合わせることができます。
経営戦略、人材開発プログラムのお手伝いをしていて分かることは
経営者の方の多くが、「人材」及び「人材の集合体」である組織に
いきづまりを感じているということ。
テイラー、ウエーバーらによって提示された近代経営、
縦割型管理組織からフラットなオープンソース組織、ネットワーク型
の仕事モデルへの変革を提言する書物やセミナーは数多く出回っています。
アメリカ企業の成功事例を見ることもできます。
ただし、これまで連綿と継続してきたオフィシャル、アンオフィシャルの
「ありもの」の人と組織をかえる(イノベーション)ことは、
そんなにたやすいことではありません。
中には、単に人事制度を新しいものにしたり、部署の入れ替えや増減を
することと戦略とを混同しておられる経営者もいます。
とくに今は、
営業利益減→営業費用削減→固定&流動の人件費削減→人員削減
ということが余りにも安易に行われいるように思います。
たしかに大変です。
大変ですが、こういう時だからこそ、組織のゴール(何のために
何を、どうする)を見据えた経営者のスコープ、そして戦略を
社員に示し、一緒に戦う態度を示すことが重要だと思います。
組織イノベーションや人材開発をお手伝いする立場からしますと
今、こういう時だからこそ戦略と人、それも団体戦を戦う体力と
戦力の自主トレを続けることだと思います。
総売上が20%減っても営業収益で黒字を出す、給与が10%減っても
その会社で働く気持ちが落ちない、そういう組織と人をつくっておくこと。
ワークシェアリングというのは、単に仕事を分け合うのではなく
働くモチベーションをシェアしない限り長続きはしません。
そして、組織と人のイノベーションというのは
その組織が「新品」ではない限り、「ありもの」を良く理解し
良く生かしながら、コツコツとやっていくこと。
つまり、内田さん言うところの「集団のパフォーマス」を上げることが
重要だと思います。
本書で内田さんは、複数の人材採用担当者の次のような話を引用。

真にビジネスライクなビジネスマンは、
「個人的能力はそれほど高くないが、周りのパフォーマンスを
上げることができる」タイプの人を、個人的能力は高いが、
強調性に欠けるタイプの人より優先的に採用します。

そして、この後に引用文の具体的な説明が続きます。

いつも100点をとるヤマダくんよりも、
自分は80点しかとれないけれど、仲間のサトウくんを
指導して30点とれるようにしたスズキくんの方が
(組織の中では)上位に格付けされる。
スズキくんには、「彼の支援でパフォーマンスが上がった人の
点数が加算される」

あのリーマン破綻も「俺だけ100点満点、年収5000万円」ということが
遠因になったのではという見方もできます。
この他、コミュニケーション、日本語、宗教にまで話はおよび
内田さん独特のインサイトが展開されます。
本書は学校の先生たちに向けた「学校の先生たちが元気になるような本」
という設定ですが、私には、集団のパフォーマンスをあげる
人材開発、組織マネジメントの参考書として、いろいろ考えさせられる一冊でした。

街場の教育論

街場の教育論

連読おすすめ本

経営の未来

経営の未来

EVERNOTEをプランニングのプラットフォームに

既にいろんな方が取りあげているEVERNOTEですが

特徴は2つ
 ・文字、画像、URL、PC&ネットの画面、iphoneで撮った写真などなど、
  ワンストップでこなすメモ&スクラップブック
 ・Mac、Win、iphone、mobile、どの端末からでもほぼ同じ環境で読み書きOK
私の場合、自分のMac、仕事場のWinXPiphoneで使っています。
詳しい内容とダウンロードはこちら
Best Note Taking App - Organize Your Notes with Evernote
使い方のイメージは、EVERNOTE.comのサイトの動画をご覧くさい。
こんな感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=i_ncr1Ee9e8:movie:w300,h300

基本的な扱い方については、いろいろな方がリリースしていますので、
ここでは、私の場合を紹介します。

パワーユーザーの方には「なんだ」という内容です。ごめんなさい。

インストール済みのデスクトップの画面です。

それでは順番に
1.準備
 ・企画案件が決まったら、EVERNOTEを立ち上げ
  「New Notebook」にタイトルを付けて一冊ノートを作成します。

 ・次に、このNotebookの中にNote(ページに相当)を作ります。
  私の場合は、まず落書き用のノートを「仕入れ」というタイトルで作成します。
  通常、私は「クライアントから預かった資料」「リサーチ」
  「ヒヤリング」用のノートを別々につくっておきます。
  タイトルの下にあるタグ欄に必要なタグを書き込み(ここでは「案件名」
  「仕入れ」の2つ)これで準備は完了。
2.仕入
 ・準備で作った「仕入れ」ノートに必要な情報、データ、画像etcを
  手当たりしだいに書き込んでいきます。
  併せて、調査やヒヤリングの結果も各ノートに、
  なるべく小さな要素にして書き込んでいきます。
  ここでは、余計な頭を使わずにデジタルに、
  とにかく、思いついたことをどんどん吐き出します。

  Webの中で探したネタ話や画像、サイトも必要なカタチで
  クリップ(下写真左)し、スクラップ(下写真右)していきます。
  EVERNOTE.comで無料提供されている
  Webクリッパー(切り抜きソフト)が便利です。
 
  ノートの中身は、WinPC、iphoneからでも読み書き自由。
  iphoneからは、「カメラ」で撮った画像やボイス録音(下写真右)を
  ノートに送ることもできます。
  

3.構想
 「仕入れ」「調査」「ヒヤリング」「クライアント資料」のノート
  が埋まったところで、一旦、パソコンから離れます。
  何をするかといいますと、吐き出された要素を眺めながら、
  プラン全体のストーリー、コア・アイデアetcを紙の上で構想します。
  行ったり来たり、描いたり潰したりの繰り返し。
  少ない時でA4で30枚位は書き散らかします。
  まだるっこしいようですが、ここがいちばん肝心なところです。

4.組み立て
  戦略コア、ストーリーがほぼほぼ固まったところで(未だネジは緩め)
  再度、EVERNOTEに戻ります。
  今度は、先ほどのNotebookの中に、プランの章ごとにNoteをつくります。
  章立てが全部決まっていない場合は、決まった章(Note)から
  埋めていって、あとから順次、追加削除してリメイクを行います。
  Noteは階層構造がつくれますから
  アウトラインプロセッサーの要領で企画を組み立ていくわけです。 

  サムネイル・ビュー機能を使えば、スライド・ビューのように
  全体を俯瞰することができますし、各ノートの書き換え、入れ替えも自由。

5.アウトプット
  ノートが完成したところで、あとは、用途に合わせてKeynoteやPagesに
  貼込んで完成です。


EVERNOTEでメモした全てのデータファイルは、EVERNOTE.comの中の
自分のページにログインすることで見ることができます。


本日のノート
・プランニングは、仕入れ1割、構想8割、仕出し1割
・アイデアは思いつき→思い散らかし→思い至るもの

ipod、iphoneでプレゼンテーション

ipodiphoneのプレゼンは既にいろいろな方が実行されているようです。
こちらのBatayan's logさんのように
iPhone/iPod touchでPCレス・プレゼンテーション! - Batayan’s Log

私も、ちょっとした打ち合わせにipodを使っています。
私の工具は、keynoteipod classic、universal dock(s-video端子付き)
それとプロジェクター。dockはapple remoteが使えるので便利です。
作成手順は
Keynoteでスライド作成
・書き出し(jpeg)→iphoto
 *この時にiphoto内にタイトルを付けたアルバムを作成、その中にスライドをまとめておきます。
・ituneに読み込み
ipodまたはiphoneに同期
Keynoteの書き出しを動画(quicktime)にする方法もあります。
この方法だとKeynoteのアニメーション効果が再現できます。
ただし、jpegよりも画像のクオリティが落ちるのと、
スライドを手動で送る場合は「動画停止」「再生」の動作を繰り返すことになりますから
慣れないと面倒かもしれません。

プロジェクターにもよりますが、80cm×80cm位なら、文字も画像もけっこうキレイです。

オバマさんのスピーチは、なぜスゴイ。

オバマ大統領のスピーチは、なぜ、あんなに人を引き込み、
感動的なのでしょうか。
いろいろな方が解説しているように、
テーマ、話の組立、声の調子、アクション全てに渡って
学習と訓練を重ねた結果であることは間違いありませんが、
彼の場合は単に技術的に優れている以上の何かがあります。
ひとつには、聞き手、とくに弱者に対する嘘のない目線、
配慮、思いやりといった人間的な要素をあげることができます。
ただし、その要素はケネディにも、レーガンにもあったと思います。
では何が違うのか。
それはオバマさんの生立ち、育ってきた環境を考えると
分かるような気がします。

そんなことを考えていたところ、日経新聞日曜版で
ロサンゼルス支局長 松尾理也がこんなことを書いておられました。

(スピーチだけでなく、記者への答えや大統領就任パーティでの服装まで、オバマさんが発信するメッセージについて)単に慎重なだけではない。時にさりげなく、時に大胆に、自らのあらゆる行動や言葉に、リスク覚悟で意味やメッセージを織り込んできた。(中略)オバマ大統領が迷宮のように入り組んだ多重的メッセージを発信続けるのは、頭脳が優れているから、だけではたぶんない。それよりも、黒人としてしばしば自己を外部から否定的に規定され、それと戦いつつも受け入れを余儀なくされ、迂回しつつ反撃していかなければならなかった生い立ちにかかわっているに違いない。09-02-01 産経新聞


オバマさんがアフリカ系移民の子として、自分もしくは自分に近しい人たちに
対する人種差別や迫害に出会ってきたであろうことは
容易に想像がつきます。
そのような環境の中で彼は、
差別や迫害に打ち勝つ手段として
スピーチ、プレゼンテーションを学んできたのではないか。
自己表現とか演出というような枠ではとらえられない、
自分の生死をかけた戦いの有力な武器のように
身につけてきたように思います。
そういう視点から見ると、彼のスピーチは、
とても戦略的(戦闘的)です。
(若干27歳のスピーチライターと常に草稿を練るそうですが)

大統領になる前と後で
ポジションをはっきり変えています。”チェンジ”から”責任”へ。
スピーチの中身も話し方も声のトーンまでも
変わったように私は感じました。
意識的というより、そういう身体反応ができるのだと思います。
それと、オバマさんのもう一つの武器はネット・コミュニケーション。
こちらの方も、周到な設計と仕組みであることは
いろいろなところで語られています。
既に評判になっていますが、ホワイトハウスの新公式サイトは、
本来のGovernment(市民統治の府)であるという狙いとイメージが
良く表現されています。
おそらく、ブッシュ大統領の時の何倍もの世界の人々が
ブックマーク、RSS等でつながっていることを想像すると
ちょっと、わくわくします。



今日のノート
プレゼンテーションを組み立てる前に大事なこと
・(自分の)ポジションをはっきりさせる
  受け手のことを、とことんリサーチして、自分の位置、役割、態度
  のピント合わせをします。
・スタイル(話法)を決める
  自分のスタイルの基本は変わる(変える)ものではありませんが、
  話題や語り口(例えばスライドのフォント)を受け手に合わせて
  調合します。
・覚悟を決める
  生死をかけるなんてことではないにしても、受け手に対する正直さ、
  内容や結果に対する責任感みたいなもの。そのような目に見えない
  パーソナリティは結構大事です。これで、次の仕事が決まったりし
  ますから。

団塊世代のキーワードは”余命20年”

昭和24年を人口のピークとする団塊世代
消費のボリュームゾーンとして、
戦後文化をひっぱってきた世代として
何かと議論の対象にされていますが
世代論や分析はともかくとして、
同じ世代にある私自身の実感から
この世代のアフィリエーションを考えてみます。
私も私の同輩たちも、個人差はありますが
”60”という距離表示は他の年代とは明らかに異なる感慨があるようです。
20歳〜50歳は、”歳”というものを意識はしても
「まあ、こんなもんか」というふうに通過してきました。
それが、60歳はちょっと様子が違うような感じがします。
私が自分自身の実感から考える
団塊世代の理解キーワードは、ズバリ中途半端な時間は、この世代全員に
等しく(そして絶対的に)与えられたもの。
当事者にとって、この”20年”というのは、
老いが加速する時間でもありますし、
そんなに遠くない距離にある死というものに直面している時間でもあります。
(ちょっと、話が暗くなってきましたね)
人によって自覚してるしてないの差はあるでしょうが
余命20年は、この年代に共通する時間感覚としてあると思います。
新しく起業、ボランティア、教育といった社会ゴトに向かう人も
最後まで突っ走ってやろうという元気な人も
趣味、研究、創作といった自分ゴトに勤しむ人も
その行動の根っこは余命20年というものにつながっている。
それを絶対に他人に見せたくない、知られたくないという
自意識(自尊心)だけは人一倍強いというのも、この世代の特徴でしょう。
ですから「豊かな、成熟した、大人の」なんて言われた瞬間に
心を閉ざしてしまう世代なのですね。「歳を重ねるってステキ」
「違いの分かる、あなたに」といった目先の煽て(おだて)にはのらない。
そんな広告やサイトは山ほどありますが、ちょっと目にしただけで、俺とは関係ない、なんですね。
団塊じいさんは、団塊じいさん扱いが嫌い
そろそろ、20年の時間割で設計された商品やマーケティング
出てきてもいいのではないかと思います。