待受画面にいいなあ「ただひたすらのアナーキー」 ウディ・アレン

スピード感がいいすね。
絵画、文学、哲学、政治、物理
肥沃な知識をベースに
タイトルの通り、ただひたすら
繰り返されるドタバタ
タイトルと表紙の
トボケた感じがいいですね。
待受画面に、どうでしょう。

ただひたすらのアナーキー

ただひたすらのアナーキー

良質のドキュメンタリー映画のような幕末記「王政復古 慶応三年十二月九日の政変」井上勲・著

幕末から明治維新へ。
多彩な登場人物と出来事に
事欠かないこの時代は
たくさんの小説や歴史書
なってきました。
その中でも
本書は感銘深い一冊です。
大政奉還に向かって多重に
動いていく時代のダイナミズムを
みごとに活写しています。
登場人物たちの
深謀遠慮や思惑の絡み合いを
明晰なロジックス(つながり)を
もった物語として再構築しています。
つぎのような最初の書き出しからし
ワクワクさせられます。

                                                                                            • -

嘉永六(1853)年、癸丑の年の六月三日に、
ペリーの黒船が浦賀の沖に錨をおろした。
六月三日は旧暦の日付で太陽暦では七月八日、
夏のはじめの長雨がやみはじめて大気がうち
に熱をはらむ、そうした日の夕暮れである。
この日から幕末・維新の動乱がはじまった。
日本の近代がはじまった。

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小説のように冗長な思い入れもなく
ふつうの歴史書のように無味乾燥でもなく
良質のドキュメンタリー映画を見るように
一気に読むことができました。

王政復古―慶応3年12月9日の政変 (中公新書)

王政復古―慶応3年12月9日の政変 (中公新書)

身近なところでコミュニケーション デザイン

この写真、なんだかわかりますか?

ある会社のオフィスで撮らせていただいたものです。
後ろは、新年度スタート社内パーティでの
参加者のスナップ、
その真ん中にボール紙製の可愛らしい木。
実は、写真の焼増を申し込むための
掲示ツールなんですね。
ただ申し込むのではなく
希望者は各写真に付いている”花びら(番号付)”に
自分の名前を記入して、中央の木に
貼付けるというシステム。
焼増希望が増えるにしたがって
オフィスの片隅に、
桜が咲きほこるというわけです。
このとおり

この会社の新人社員の方が
先輩のクリエティブの方と相談して制作したそうです。
制作物(結果)よりも
制作者の目線、気持ちのノリに拍手。

Garr Reynooldsさんプレゼン・セミナーに行ってきました

昨晩(2009年4月7日)、アップルストア銀座で開催された
プレゼン・セミナー「プレゼンテーションを成功させる10の原則」に
行ってきました。
相変わらず盛況、立見(フロア座り込み)の方も
いる中での楽しい1時間でした。

広い意味のデザイナーの視点から
プレゼンを組み立てるための原則を10+1に
まとめたものでした。

原則その一 (プレゼンを成功させるのは)道具にあらず
原則その二 プランはアナログからスタートする
       (いきなりPCでスタートしてはいけない)
原則その三 リスクや失敗を恐れてはいけない
原則その四 受け手の立場に立ってプランを考える
原則その五 ストーリーを探す
原則その六 シンプルであること。
      シンプリシティ(簡潔I)はシンプル(簡単)とは違う
原則その七 自分をコントロールする
原則その八 視覚は、どの感覚よりも勝っている(効果的)
原則その九 シグナル(記号)とノイズ(雑音)の違い
原則その十 余白(empty space)を上手に生かそう

途中で観客にデスカッションさせたり、互いの似顔絵を描かせたり
場の空気をなごやかに包みながらのプレゼンでした。
シンプルで抑制の効いたKeynoteスライドとスピーチのバランスの
良さにはいつもながら感服

6月には「Presenntation Zen」の日本語版が出るそうです。
プレゼンテーションのマニュアルとして常備しておきたい一冊。

こちらは、2008年3月、グーグルでのレイノルズさん
http://www.youtube.com/watch?v=DZ2vtQCESpk:movie:w250,h180
Presentation Zen

プレゼンをプレゼンします

インプレッション・トレーナーの重田みゆきさんによれば
人は0.5秒で選ばれてしまうそうです。
 人は0.5秒で選ばれる!―チャンスが20倍増える、印象力の磨き方     
他にも人の第一印象は4分で決まる、いや6秒で決まる、
いろいろな説があるようですが
私の経験からも、
まあ4〜5分話してみれば、だいたいの人柄や
好き嫌い、肌が合う合わないは分かるような気がします。
例えば、テレビのコマーヤルは15秒(あるいは30秒)で
商品を売り込まなければなりません。
裏を返せば、15秒あれば知ってもらえる、知ってもらえるだけでなく
好きになってもらえるということです。
ただし、全てのコマーシャルが売り込みに成功しているわけではありません。
大多数のコマーシャルは記憶に残ることなく消えていきます。
人についても同じことが言えます。
0.5秒で選ばれずに消えていった人。むしろ、こちらの方が多いはずです。
選ばれる、選ばれないの差
それは、重田さん流に言えば、印象力の差なのだそうです。
前置きが長くなりましたが
プレゼンテーションとは、ある限られた時間の中で
”伝えたいこと”を受け手の心にしっかり残す一連の行為であり
究極的には、プレゼンターである”人”を記憶にとどめてもらうことだと
私は定義しています。
ただし、それは、持論を一方的に展開することでも、
自己主張することでもありません。
それよりも、受け手のことをどれだけ理解したか、どれだけたくさんの
想像力を働かせて、受け手のことを考えたか、
その試行錯誤の結果を分かりやすく伝えることだと思います。
したがって、私はいいプレゼンテーションをするためには
事前の準備、すなわち、受け手を理解するプロセス、
受け手とのRelevancy(整合・一致感)を詰めることを大事にしています。
そこで、プレゼンテーションのプレゼンテーション、
ステップ0事前準備から話を始めます。


<ステップ0> Relevancyを詰める
プレゼンテーションに先立って、
これから係るプレゼンテーションの5W1Hを確認します。
ここで重要なことは、単に5W1Hを列挙するだけでなく、
まず5つのWの背景や関係にいろいろ思いを巡らせながら、
受け手(一人であることは稀で、組織、グループ、ある人たちの集合)の
アフィリエーション(その集団を特徴づけるもの)を設定し
そのアフィリエーションにそって、HOW、どのようなプレゼンテーション
にするのかを構想します。
例えば、下のチャートにあるように、同じテーマであっても
受け手の中身によって、プレゼンテーションの中身もスタイルも話法も
違ってきます。


                            

「プレゼンテーションをプレゼンテーションします」は続きます。

「常識脳」を上手にひっくり返した広告

受け手の常識脳をひっくり返す、しかも、それを瞬間的に実現するのが広告です。
「常識脳」を一目で覆す「その手があったか」という例をピックアップしてみました。

mac repair service
一見、Appleロゴマーク(見慣れた常識)。齧りかけの部分が修復されています。
 マック修理サービスのポスター広告です。

情報元 http://adsoftheworld.com/media/print/macherman_mac_repair_service

■Lhome"寿司”
 炊飯器のポスター広告。ネタの上にシャリがのっている。(非常識)日本人としては
 やっぱりネタが上の方がおいしそうに見えるのですが、アイデアは買い。

情報元http://adsoftheworld.com/media/print/lihom_sushi

■Hyndai”ショベルカー”
 よく考えてみると、ショベルカーが逆さま。バックのシャドーの効果で、ちょっと
 ユーモラスで頼もしく見えます。

情報元http://adsoftheworld.com/media/print/hyundai_heavy_industries_arm

■Mammoth”ビッグゲレンデ”
 ロゴの下に、”Play Big” というタグラインがありますが、まさにその通り。
 ゲレンデの風景は見慣れたものですが、ここまでビッグだと、全く新しい感動があります。
 元サイトで拡大してご覧いただければと思います。
 
情報元http://adsoftheworld.com/media/print/mammoth_snowplow

プランニングは9割の「常識」と1割の「非常識」

企画提案は9割の「常識的な助走」と1割の常識を脱した「跳躍」、
この9対1の匙加減が大事だと思います。
つまり、「そうか、そんな手があったか」というサプライズは
聞き手の頭の中に、予め「ふつうで考えたら」という
常識脳(想定される結論)があって、
その常識脳が覆されることで生まれるものなんですね。
面白い、関心するアイデアでも、聞き手の常識脳と乖離したものは
単なる突飛な話、参考程度で終わってしまいます。
また、常識的な助走にすぎない事実発見や分析をコア・アイデア
勘違いした提案も見受けられますが、
これも聞き手のサプライズを呼び起こすことはありません。
したがって、企画提案を組み立てる時は、まずは相手の常識脳を
良く理解すること、相手のフォールドの中で問題の発見、
ゴールの確認、課題の共有を行うことが必要です。
クライアントという組織集団には、その集団固有の常識脳がありますから
まずは、じっくりと個々の常識脳に合わせた助走をしていきます。
この助走の段階で集団の空気がいい具合に暖められればられるほど
いい跳躍ができます。
いい集団助走を行うためには、
技術的、心理的な助走ノウハウというものがあるわけですが、
ここでは専門的な話は抜きにして、
「常識脳」を覆した「非常識」の参考事例を紹介します。

「常識脳」を覆した「非常識」と言えば、
古くは、ダーウィンの「種の起源」が有名ですね。
「人間は神の創造物だ」とする社会的常識脳を「人間はサルから進化した」
という当時の社会状況から考えたら「非常識」どころか異常とも言える
仮説を提示しました。これはもう「そんな手があった」どころではありません。
ダーウィンの例はちょっと極端な例ですが、
もっと身近なところで、例えば、こんな例があります。

人は見た目が9割 (新潮新書)
「人は見た目より中身」という常識脳を「見た目が9割」とひっくり返しています。
最近の本、とくに新書には、こういう例をよく見ます。
ジャケ買い」ならぬ「タイトル買い」を狙った出版社の戦術なのでしょうが、
その中でも「常識」のひっくり返しは常套手段となっています。
「本はタイトルが9割」? 事実、良く売れてますね。
以下、タイトルだけあげてみます。
お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」
「人生は勉強より世渡り力だ」
「なぜ、仕事ができる人は「効率」を無視するのか?」
「残業ゼロの仕事力」